田代式 中学受験 国語の「神技」

久々に参考書の紹介

我が子の場合、国語は時間をかけて丁寧にやるとそれなりに入試過去問も解けるのですが、時間がないと客観問題の精度が低くて点数を失います。記述は、要素項目は拾えているのですが正しい日本が書けていないので、これから土特や秋のSSで研鑽を積んでいってもらいたいところです。

他方で、難関校の場合サピのマンスリーのように知識、客観、記述のバランスの良い配置ではなく記述のウエイトが高くなるため、記述でちゃんとまともな点数を取るようにする必要があります。Bテキストでそうした修練を積んでいるはずなのですが、どうも記述については安定度がありません。

そうした中でこれまでも国語の対策については参考書をあげてきましたが、今回この本が大変参考になったので、紹介します。

筆者の田代敬貴氏は、「国語教師歴32年、現在小学校5、6年を対象とした少人数の難関中学記述対策授業(スクールFC「スーパー国語」)を開講しており、2009年度入試では、男子13名、女子3名の受け持ち生徒(計2クラス)のうち、筑駒3名、開成7名、駒場東邦3名、栄光5名、桜蔭1名、慶応中等部1名など、圧倒的な実績をあげている、中学受験会の伝説的講師」と略歴紹介があります。

記述が書けるようになるにあたって、まずは読解を正確に行う事が出来る事、その上で記述をどう組み立てるかについての2部構成となっています。

基本的な読解スキルや選択問題をどう選ぶかというような趣旨な本ではなくて、精読をして「正しく読む」ためのアプローチとしてどのような点に気をつけて読めばいいのかという「視点」を提供してくれます。子供向けではなく親御さん、先生向けに書かれた本のように思います。

まず、「読むための技」として

– はじめに文章を読む事ありき
– 読書と受験国語の違い
– 映像化(絵に描いて)読む
– 図式化して読む
– 文章を「かたまり」で読む
– 「人物の二面性」を読む
– 「人間・人生に結びつけて読む」
– 「過去の回想パターンを読む」

とあり、「技」とありながらもそのアプローチはまっすぐと文章そのものにどっぷりと取り組んでどう対応するかという視点を提供してくれています。

後段の「書くための技」が秀逸です。

– 「伝わらない言葉」「成り立たない会話」
– 生徒の答案から学ぶ「書く」ための3つのポイント
– 記述問題の分類とその攻略法
1)心情、理由説明型
2)要約型
3)換言型
4)体験、感想型

実際に生徒の答案とその添削事例を通じて何がポイントでどこを改めるべきなのかが難関中学の入試問題の記述問題を例題として示されており、実際の入試で要求されている事、子供にどのレベルまでが求められるのか、ということがよくわかります。

特に、要素項目は拾えるのだけれども、文章が書けないという点については、そもそも最重要な最後のまとめの一文を頭の中で考えから書く、口に出して言えるようにしてから書く事が重要というのは、大変納得のできるものでした。

まずメインとなる一文を作ってから前段に理由や説明を加えていくのですが、これもダラダラ書くのではなく、素材を論旨が通るようにまとめる、というプロセスを子供の答案の事例を通じて問題点と改善点が提示されているので大変参考になります。

また、いわゆる合格レベルの答案というのは、過去問の模範解答にあるような大人が書いた解答ではなく、もっと本文に即したベタな要素を子供らしい表現で書けていてもOKだということは非常に参考になりました。

この解答に至るまでの思考プロセスと記述のプロセスについて、まずは正しく読解できる事が前提ですが、それを踏まえて正しいトレーニングをすれば合格レベルに持っていく事は可能ではないか、と感じました。やみくもに記述をやればいいのではなく、良問を正しいアプローチで取り組むというところでしょうか。この辺り、国語は個別性が高いように思いましたので、子供の添削をこの方法論に沿って土特の記述位はやってみようかと思っています。

他方、基本的な読み方や客観問題のアプローチなどについては一切書かれていないのでそちらは以前紹介した

国語読解力強化
あたりの方がプロセスがクリアに提示されており良いかと思います。

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