最近、算数のてこ入れ、理科社会の暗記ものに時間を取られており、国語は漢字や知識以外の読解対応がおろそかになっていました。
それ故に、サピックスオープンでは記述問題が崩壊し、11月のマンスリーの記述も採点基準が甘いから救われたものの、十分な解答になっていなかったためにオープンとマンスリーの解き直しをして解答プロセスを確認しました。
国語の読解力をあげるためには、まず小説にしても説明文にしても大人的な文章を読み慣れる事が必要です。
本をたくさん読めばいいという話もありますが、子供向けの小説をいくら読んでも実戦的ではないので、ここは、入試問題に実際に使われた問題を読むと効率的に試験によく出る説明文の話や、小説の出題パターンをストックする事が出来ます。
長文を読み慣れていないのであれば、「みくに出版の中学入試試験問題集 国語編」などを一日一校分など読んでいくのが地力をつけるのにはあるかと思います。ただし解答が丁寧ではないため自宅で独習用のテキストとしてはお勧めしません。
読解問題を解くための手続きとしては、何冊が以前も紹介しています。
国語読解力強化本
大人が読むなら
<中学入試>国語の読解は「答え探しの技(ワザ)」で勝つ!国語を味方の教科にして受験を制覇しよう!
だし、子供にやらせるなら
受験国語の読解テクニック 親ナビつき (シグマベスト)
が良いかと思います。
大切なのは、読解問題の場合解き方の正しい手続きがあり、それに従って正しいトレーニングを積むと答えを導き出す事が出来るようになる、点です。
基本的なやり方が分かったら、後はサピのテキストでも、入試問題でもいいので客観問題と記述のある問題を制限時間の倍の時間をかけてでも、文章中から根拠をみつけて納得いくまで客観問題を吟味し、記述は下書き、推敲をして書くことで、経験値を増やしていく事をすればいいかと思います。
我が子の場合は、夏休み位から、週末にずっと男子校の国語の入試過去問をやってきていました。中堅校だとだいたい、小説と説明文に分かれるので、土日にどちらか一つ30-40分程度かけてやっていました。
これである程度効果がでていたのですが、最近、サピで扱うテーマや文章が高度になり、子供になじみにないものになってきたのか、うまく読めていないようだったので、再度読解の手続きを確認しました。
ある意味、背景知識があったり読み慣れたりしているテーマだと読まなくてもオチが分かるのですが、テストではあえてそうした固定観念をはずして、純粋に与えられたテーマから読み解いて答えを出せるか、を聞いてくる事があるので再度基本に戻りプロセスを確認しました。
一番の理由は、テーマがなじみがなくなってきた事、時間が足りない事で読み方が雑になっていた事です。
テストになると時間がなくて選択肢の吟味もちゃんと確実な根拠をもって選ばず、勘に頼る事が多かったために、四択で二択まではノータイムで絞れるものの、設問者の狙い通りに間違った答えに引っかかっていたので、再度根拠の確認と客観問題にありがちな、それっぽく書いてあるけど言い過ぎだったり、書いてない事を書いていたり、しているという「誤った選択肢のワナ」について確認をしました。
また、記述についても時間がなくて特に設問に対してのストレートな答えが日本語になっていなかったので、手続きを再確認しました。
1)設問をちゃんと読んでそのまま理解する
2)答えのフォーマット 「ーーというのはーーだから」「ーーはーーなのでーーという気持ち」という主語と述語を踏まえたひな形を作成
3)メインのセンテンスを固定(小説なら主人公の感じた気持ち、説明文ならいいかえや説明が多い。)
4)前段の説明に盛り込むべき要素を選ぶ(メインを理由づける根拠の部分)
5)日本語の文章として意味とロジックがつながるように日本語を構成、推敲
6)字数、表現調整
もちろん、前提として正しく読解できる事が必要です。その上での記述についてのスキルはある程度この手続きに従って時間をかけて自分にとって100%の納得がいく内容を作る練習を週に1、2回程度続けていれば記述についてはそんなにひどい事にならないかと思います。
我が子の場合、この100%納得がいくまで手続きを踏まずに手を抜いていた事も最近の低迷の原因のように思います。
対話していて分かったのは、1)2)のまず設問に対してストレートな解答が出来ていなかった、5)の盛り込むべき要素はひろえているものの、全体のつながりが日本語になっていなかったです。キーワードをロジックが通るようにつなぐ事が出来ていなかったのでこの辺り本当は論理思考のトレーニング不足にも思えるのですが、それはさておき、この点を3回ほど書き直しさせて、日本語として大丈夫なレベルになってから模範解答と照らし合わせてそのズレを確認しました。
テストの際には時間がないためにどうしてもその手続きをはしょってしまいがちになりますが、正しい答えを出すための正しいプロセスを確認しておかないと読解が出来なくなるために時折、こうして確認をしています。
なお、我が子の場合は、テーマとの相性もあるようで乗れないテーマや、恋愛や訳ありな小説ネタにはまだついていく事が出来ず、微妙な心情変化を捕まえるほどには精神的に成長していないようです。これはこれで仕方がないので、説明文の論理構成、小説も状況から客観的に読み解く事が出来るところをまとめられるようにトレーニングしていきたいと思います。
私自身も元々理系で学生時代は国語に自信はなかったのですが、中学入試の国語は根拠を持って論理的に読めるか、妥当な選択、解答ができるかを問うものなので、自信を持って教えられるようになってしまいました。要は、このプロセスをマスターし、正しい手続きで解答の仕方ができれば、後はよく出るテーマを読み慣れていることでかなり楽に出来るようになるのではないかと思います。
更に、語彙が豊富だと難解な文章も読めるのですが、これも子供の精神年齢や関心によるところが大きいので何とも歯がゆいところです。
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