今の小4の算数は、割と基本事項の習得となっており、計算や文章題のよくあるパターン、図形の基礎といったあたりをやっていると思います。
算数の場合は、積み上げですので各分野毎でここまではマスターしなくてはならない、というところとその先の応用問題というのが分かれると思います。
サピのテキストでいうと、以下の感じかと思います。
星一つ ー 絶対出来るようにならないとまずい
星二つ ー このレベルの問題ができるようになればOK
星三つ ー 分野にもよるが、パズル的なものは現時点で出来なくても構わない。
基礎力定着テストでいえば、
始めの計算問題 ー 絶対出来るようになる必要あり
後段の問題 ー 各単元でこの問題がマスターできればいい。
デイリーチェック
後段の問題は、基礎力定着テストの後段より難し目、星でいうと、2.5位?
過去2回の復習テストを見ている感じからすると、星2つの問題まで完璧にできればOKかと。(ただしこれはアルファ基準とかではなくて、その分野において習熟が求められるれベルという意味です。実際には、星2つの問題の習熟度が半分くらいでもついては行けると思いますし、時が解決する事もあるので、今出来なくても5年生になると概念に慣れてくるので自然と出来るようになると思います。特に新しい概念は馴染むのに時間がかかります。)
星3個の問題は、パズル的な要素があったり、高校数学や大学数学のネタを簡単にしてたり、算数の後段になるとできるようになることもあるので、ひらめかなくても「時が解決」するものもあります。ここは、算数が得な人がやるところだと割り切って、星2つまでの習熟を目指すということも一つの方策です。
で、本題です。
問題が解けるようになるためには
1)その分野で必要な概念や計算手法を理解している。
2)簡単なものに当てはめ出来る
3)それを他の条件と組み合わせたものに適用できる
4)複雑な設定、およそこれを使うとは思えないものに適用出来る。
があって、星1個の問題は、1)、2)のトレーニングになっており、普通の小学校のカリキュラムだとここまでを目指します。
3)が星2個、簡単な入試問題で、4)が難関校、かと思います。
1)、2)はいわゆる教科書レベルなのでここが弱い場合はちゃんと概念導入と簡単な例題をちゃんとマスターする事が重要です。
3)あたりができるか、できないかというところが今のレベル的な課題なのだと思いますが、ここについては、初めてやって解けなかったり、引っかかった、思いつかなかったということがあるでしょう。
1)問題文を読んで設定を十分理解できていなかった
2)当てはめ方が分からなかった
3)他の要素があるのでそれとの組み合わせに気づかなかった
4)計算ミス、題意に沿わない解答をした
1)は、まだ日本語力が乏しいので仕方ないところもありますが、早とちりはしないように丁寧に読む事と、ちゃんとそれを紙に書いてみる(図を書く、条件を整理)ことが必要です。
2)、3)は、経験もあるので始めてやって出来なければ気づかなかった要素を覚えて類題をいくつかやってマスターするという「後天的な習熟の獲得」をすればいいと思います。
ただ、同じ設定の問題で数字を変えているのは、4)のトレーニングにしかならないと思うので、本当は、解答の中で、何がポイントとなるかを解答に書き込むのがいいと思います。
小学生だと類題をドリルする事も必要かとは思いますが、理解するということは同じパターンを10題もやらなくても、同じ問題をポイントを意識して解き直すというのでもいいかと思います。
4)については、計算ミス自体をなくすのは別途書きたいと思います。題意に沿わないのは、1)同様ちゃんと読んでいない、慌てた、途中で自分が何をやっているか分からなくなった、という事だと思いますので、本番で慌てないように、家での学習において、計算ミスを減らす仕組みと、問題を読み、解答の後に確認するという仕組みが大切だと思います。
4)の星3つや、難問についてできることは、「センスです」といってしまうと身も蓋もないですが、星2つまでの完成度をあげるだけでも現時点ではある程度良いかと思います。また、入試問題は算数の総合問題なので、全ての要素を組み合わせる事が出来る点からも今よりも格段に難易度があがります。
難問になる要素としては、
1)規則性の発見
2)数え上げ / 複雑な場合分け
3)複雑な条件設定
4)三次元の問題
5)比や面積比などを使った図形の操作
6)整数問題(特殊)
があると思います。
1)2)は、簡単なものからトレーニングだと思います。今の小4のサピのテキストはこの点を
意識してるようで頭脳トレーニングや応用問題は、1)2)3)がよく出てるように思います。
4)5)はまだですし、6)は分数やれば出来ますが、整数という制約の強さを使った相当なパズルになり、大学の数学でも整数論という一つのジャンルを形成しているくらいです。(だいたいこれをネタに大学入試問題を作ったりしますが、それを小学生向けにアレンジしている問題もあるようです。算数以上の知識はいらなくても出来る要素があるので。)
これについては解答そのものを覚えても今の時点では意味がないので、頭の使い方として、どう規則を発見するのか、数え上げ方をシステマティカルにするにはどうすればいいか、というところに注目して、完全に独力で出来る事まで求めなくても良いと思います。
後は、難問でも良問と単なる難問があるので、良問の解答を見てどこかポイントとなるのか、ということをよく吟味するのが良いと思います。
入試については、制限時間があるので、6年生の冬ということではありますが、そのときのスキルをフル動員して制限時間で解けることが求められており、得点率からして捨て問題もあるので、全てを完璧に解ける必要はない事は念頭に置かないと、入試は4教科なので算数に100%掛けて、理科社会で死ぬという事になりかねないので、「皆が出来る問題は取りこぼさない、出来ない問題は出来ないなりにそこそこ頑張り、難問は趣味的にやる」というのが肝要だと思います。
ちなみに前回の復習テストの最後の問題は、システマティカルに答えを出すとかなり時間がかかると思います。目の子で答えを探し出す、ということですが、うちの子は、これにハマってタイムアウトとなってました。時間のマネジメント、難易度も見極める事も受験技術としては必要ですね。
今、それに習熟を求めるかは議論が分かれるところですが。。
そもそも算数が好きな子供は、難問を一人で延々と考えたりパズル解くという頭を使って考える作業が好きな人なので、これが必ずしも万人が出来る必要がある訳ではないと思います。
もちろん、もとからできたり、それが好きな人もいるのですが、その方はこれを読む必要はないと思いますし、入試では、それだけを問う訳ではありません。
テキストはよく出来ていると思います。授業は自分が出ている訳ではないので分かりませんが、Interactiveと聞いています。
後は、本人の理解度に応じてテキストの問題の出来具合からどこにウエイトを置いて勉強させるかですが、問題数的に全部こなすとそのうち回らなくなると思いますので、適宜取捨選択してメリハリもってやるのがいいかと思います。
以上、やや散文的となりましたがお役に立てれば幸いです。