日々の学習のRepositioning -(2)

前回のエントリーの続きです。

今回は社会について

1.科目の分析
社会については、入試的には地理、歴史、公民及び時事分野があり、そのウエイトは40%,40%,20%とのことです。また、Sapixの保護者会の説明によると、問題が難しいのは地理であって歴史は一本の流れであること、開始時期が遅い事からあまり難問を作る事はできない。公民及び時事についても6年の1学期で終わる事からも範囲と内容は限定されます。

実際の入試では、総合問題、分野毎にはっきりと地理、歴史、公民及び時事と分かれている学校と分かれます。算数及び国語の5年春現時点での到達度と入試とのギャップは相当大きいですが、社会の場合、地理については5年生の現時点で学習を「終わった」ことになっており、入試との差が果てしなく大きい訳ではありません。

社会というのはかなりの範囲が「覚えること」であり、その覚えた事をどう引き出すか、という点、組み合わせや思考系の問題ということも大切ですが、その前提になるにはやはり、一定の知識セットを正確にマスターしているか、が問われる事になります。

逆に一旦正確に暗記さえできてしまえば、中堅校レベルの問題までは合格基準点をクリアーする事が可能です。もっともグラフや図表の読み取り、地図や雨温図などのように思考力、分析力が必要なもの、トリビア的な知識であって地理オタクでない限り分からないような問題もありますが、そうした問題は他の受験生もできないので、取れなくても心配する必要はありません。

2.地理でマスターすべき事

地理でマスターすべき事は何かと言えば、5年時の学習単元の項目を見てもらうのが一番はやいと思います。4年からSapixに行っている場合だと、北海道から九州(沖縄)までの地形(山、川、平野など)、都市、自然の気象条件などを押さえ、農林漁業、工業、交通、貿易などのテーマ毎の内容を載せていきました。いままた地域毎にやっていますが、後はこれにグラフや図表、データなどの別の切り口の情報をマスターして、地域毎、テーマ毎で聞かれても問題に対応できるようにしていく必要があります。

1)知識セット
中学入試の参考書を見れば必要な知識セットは分かります。家には下の「中学受験ズパピタ社会地理と同じく白地図・グラフ」がありますが、他の参考書を見ても同じような事がまとめられていると思います。

これを持っているのは分厚い参考書だと絶対開かないだろうと思ったのと、色使いがほどよくポイントがまとまっている点です。

なお、こちらは出版が古いので農業生産の順位が今と違っていることもありちゅいが必要です。

社会についてはこれからコアプラスをやっていきますが、その中で重要な知識と語句は漢字で書く事も含めてマスターできると思います。

2)問題の解き方
ストレートに知識を問う問題、データ、図表と組み合わせて知識を問う問題があります。前者は、毎回の単元の復習テストで、後者がマンスリーや組み分けなどの試験、入試に該当すると思います。といってもまずは1)の正確な知識セットが頭に入っている事が必要です。

3.マンスリー対策

前回のテストが出題形式が単純な知識をそのまま問うものではなく、知識の組み合わせであるために正答率が下がり、難しく平均点も低かったですが、問題をテキストとつきあわせて分析したところ、8割位まではテキストの内容を正確に理解していれば到達できるレベルであるというように思いました。ただ満点を取るのはトリビア的な要素もあり無理だと思います。

ただ、そのためには書いてある事の内容をしっかりと理解した上で暗記している事が必要となります。

(1)テキストの表側のページの1、3、5の所
左側 ー 図表、グラフに書いてある事を覚える。貿易額や順位などはその数字を覚える事は無意味ですが、何を押さえると順位が判断できるか、特徴的な物や産物は何か、などかを考えながら覚える。都市名、そこでの産業などは完全な暗記が必要。どれが重要で、どれが重要でないかは、テキストの右側の説明とズバピタやコアプラスなどに載っているかを照らし合わせて判断。

右側 ー 太線の漢字や地名、言葉は暗記、地名は確認する必要があります。キーワードだけではなく文脈で覚える事が必要です。

デイリーチェック、演習問題 ー 解けるようになっている必要がありますが、1、3、5の内容を形を変えて問うているに過ぎないので形式の問題。

(2)地名については地図帳などで知っているか、漢字で書けるか確認
4年から地理をSapixでやっている場合は2巡目に入るのですが、5年から入った場合はまずは地名を覚えて正確に書けることからやらないといけないので暗記量が多くなります。かなり大変だと思います。
また地名も地図帳や白地図に書き込む等、定着させる作業が必要となります。言葉を聞いて頭の中でどこにあるか、関連するキーワードがすぐさま連想できるようになっている事が必要となります。逆にこれが出来るようになったら終わりなのですが。

(3)1、3、5の裏側
(1)だけだと不十分で裏のトピックスの所も熟読して重要な内容や地名については覚える必要があります。
例えば、今回のリサイクルの話では3Rを問われました。ここを読んでいて3Rを知っていても出来ずに常識でReduceが大切と判断する事が必要でしたが、少なくともここは読んでおく必要があるという事です。

3.留意事項

マンスリーについては、範囲が限定されているため、限られた範囲について狭く、深い知識が必要となります。だいたいテキストを隅から隅まで読んで覚えている(図表、地図も含む)とそこそこいけると思いますが、あと2年間入試当日までこのレベルの細かな内容を覚えている事は無理だと思います。

入試的には一旦、マンスリーで細かくなぞってから、Unlearningして、その中でコアとなる重要な知識飲みをコンパクトに覚えておく必要があります。それがコアプラスに載っていたり、先のズバピタなどの中学入試用の暗記用の参考書になります。

実際には、コアプラスの知識だけではは不十分なのですが、少なくとも受験生として標準的に持っていなければならないミニマムが示されていると思います。このコアプラス以上、マンスリー以下の粒度で知識を保持しつつ入試問題の形式で対応する事が必要になると思います。

なお、データについては2017年2月の入試にはデータが多少変わりますし、入試は目先は見た事のないような内容で問題を作ったりするかと思いますので、現時点では毎回の単元をきっちりとこなしてマンスリーでちゃんと得点できるように積み上げていく事が良いのではないでしょうか。

4.おまけ

地理については4年からやっていると全分野が終わりました。5年からは速習コースとなっており、7月には1巡しますので、夏期講習以降は繰り返しになります。

入試問題で社会の難しい学校は無理かもしれませんが、中堅校くらいだと、割とストレートな問題の聞き方をするので、実際のレベルを体験してみるには、そうした問題をたまに(週1くらいでしょうか?)やってみると目先が変わっていいかもしれません。また、夏以降は歴史、公民と続くので忘れないようにするための乱取り稽古?としては、中堅校の過去問とか、中学入試問題集などが良いかもしれません。社会の場合は解説が答えだけでも何とかなると思います。

我が子にも立て込んでない週には簡単そうな学校の問題の地理の問題だけ順にやれといってやらせています。
しょせん、知っているか、知らないかなので、知らないことが出た場合は都度覚えていけばいいかと思います。

以上参考になれば

コメント

  1. よし より:

    小5の娘を持つ父です。
    昨年からずっと拝見させていただいております。
    勉強方法の記事について、いつも参考にさせていただいておりました。
    先日の国語算数の記事といい、本日の社会の記事といい、内容が理路整然としておりすばらしいです。
    あとは娘がこの方法で頭に入れてくれるといいのですが、歩留まりが悪くて・・・(笑)
    歩留まりの悪さはスパイラル方式でカバーしないといけないですね。

    理科は社会と違って理屈とか背景とかを知らないといけないので、アプローチも少し異なるでしょうか。
    こちらも楽しみにしております。

    今後とも、よろしくお願いします。

    • Sapix勉強応援パパ より:

      ありがとうございます。参考になっているようでうれしいです
      勉強の方法としてはこれまでの自分の経験と小3、4年のサピのテキスト、授業、母集団のレベルからだいたいどんなことをすればいいのかは割り出せるのですが、我が家も子供がやることなので、本人がやる気になってちゃんとやらないと親の期待や読み通りのパフォーマンスは出ないという事だと思っています。とはいえ、授業の内容は理解が理解できていない訳ではなく、完成度が低いという問題なので、ご指摘のようにスパイラル方式で刷り込んで慣れていく、という事で克服可能だと思っています。マンスリーで出来なくてもコアプラス、基礎力定着テストの反復で定着すると思うので、3ヶ月や半年のスパンで見ると飛躍的に身に付くものと考えています。ただ、母集団も同様に頑張っているので振り落とされないようについていく事が大切ですが。。まだ道のりは長いので中長期的視野で見守りたいと思います。