基礎トレの効能 ー学習習慣と仕組み化

6年生は本番さなかですね。来週には今年のSapixの結果の速報が出回るのではないでしょうか。
まだ2年間ありますが、新5年ともなると気が引き締まります。

小4の授業と宿題を見ていてsapixの基礎トレはよくできているなぁと思いました。学習習慣とその仕組みづくりにおいてこうした毎日続ける事は大切だと思いましたので基礎トレの効能について

毎週のテキストと復習がメインである事は間違いないのですが、基礎トレの場合は簡単な問題が毎日10問あります。たいして難しくなく、その気になれば10分もかからず終わってしまうのですが、溜め込んでしまうと難しい。

他方、毎日の日付が振られていて毎月1冊問題集が渡されます。これを毎日やるかやらないかはご家庭の判断という事になるのでしょうが、我が家の場合は結婚簡単な問題であっても題意をちゃんと読んでいなかったりすることがあり、また授業でやった事が1ヶ月遅れくらいでしつこく繰り返される事があり、基礎の定着には非常に良いと思い、毎朝10分程度でやっています。

今回1年間が終わり、新5年の基礎トレを見ましたが、新5年からサピに入る人もあるためか、ずいぶんと1月の問題よりも易しくなりました。逆にいうと、基礎トレを見るだけでも1年間で基礎的な問題をこつこつと積み上げて数をこなした訳です。(逆にいえば、5年から入る人はこの演習量の差を克服する必要があるので大変です。)

単純計算で単問形式で3650題!の問題数を1年間でこなした事になります。これだけやると基本的な問題は脊髄反射で解く事が出来るようになりますし、また、例えばサイコロの問題であれば、「和」が6なのか、「積」が6なのか、サイコロを大中小で区別するのか、区別しなくて3つ同時に投げるのか、というような問題の条件が変わるような種々のパターンを身につける事が出来ます。

本当は、この基礎トレの意図する事をしっかりと受け止めて「何に気をつけるべきか」をちゃんと意識させるだけで、マンスリーの1、2についてはほぼ完全に取りきれるのではないかと思います。この辺りにこのテキスト作成者の意図を強く感じます。また、問題セットが難しすぎず、易しすぎず、テキストの演習ともすみ分けていてバランスが取れています。

もう一つ、この基礎トレの大切なところは毎日少しずつでも算数の問題に触れる時間が作られ、継続する習慣がつく事です。一日あたりはわずかな時間ですが、1週間で70分、年間で50時間強を実は基礎問題の演習にあてる事になります。この際にちゃんと計算の工夫や説くべきポイントを押さえるとなお良いのですが、残念ながら我が子の場合は汚い字で適当に解いているようなので、この辺りの姿勢を直してもらいたいと思っています。とはいえ、継続するという習慣が着く事は偉大で、ほっとくと勉強しようとしない我が子が、曲がりなりにも1年間基礎トレを完走しました。こうした地道な習慣がじんわりと本人の血肉になるのではないかと思います。

また、基礎トレは毎日1頁と毎日やった事が見える化する仕組みとなっています。これは非常に重要かつ有効だと思います。問題集や宿題についてもサピがあえて冊子を週単位にしているのは管理が大変ですが、子供達の達成感を得るためではないかと思うくらいです。

この毎日やった事を見える化するのはいいなと思い、他への応用と本人のモチベーションを高めるために、最近日付スタンプを導入しました。

これはよくある日付を回転して押せるやつですが、インクが内蔵されているのでスタンプ台はいりません。
入れるきっかけは、毎日の勉強についてよく子供とやったやらないとの言い争いがあり、(音読とか、証拠の残らないものは特に)その工程管理の関係上、やった証拠を残す観点からこのスタンプを導入しました。手書きで日付を入れればいいだけの話なのですが、子供には難しいようです。

これを押すと日々の漢字ドリルなどやったかやらないかが一目瞭然で本人にとってもスタンプを押すのは快感のようです。その観点からすると日々の漢字ドリルなども冊子形式のものではなく、1枚単位のものの方が子供受けはいいようです。

今思えば、公文は大量のプリント学習方式でしたが、あのプリントをこなしていくというのがこの見える化の最たるものだったのではないかと思います。

同様の観点から問題集などもコピーして問題単位でばらしてやらせていますが、圧迫感がなく一つずつやり積み上がっていくので達成感があるようです。

この他にも壁に方眼の模造紙を貼ってシールなどで視覚化する、カレンダーに記載するなどいろいろな可視化の方法があるかと思いますが、いろいろ試されるとよろしいかと思います。

全体として今年1年についていえば、効率や成果がどこまで出ているかというのは、テキスト吸収率でいえば、イマイチ歩留まりが悪いと思いつつも、1年間やったことを実際のテキストを積み上げてみるとたいそうな量になっていることから、1年前と比べると確かに相当なところまで来たなぁというのが感想です。後1年でまた相当な勉強量をこなす事にはなると思いますので、脱落する事なく頑張ってもらいたいところです。

横をみるとまだまだなのですが、対前年比では大きな飛躍をしていることは断言できますね。後はこれを2年間延長した先が、志望校の合格基準点を越えるところまでいけばいいわけです。カリキュラムだけ見てても、中堅校だと6年夏にその水準に到達してしまうのではないかと思えるのですが。。。これから5年のカリキュラムを通じて成長を見守りたいと思います。