本サイトのアクセスを見ていたら、「秘伝の算数」を検索してたどり着いている人がいたのでコメント
東京出版は、「中学への算数」を出しているだけではなく、「高校への数学」、「大学への数学」と大学入試まで同じ形式で日々の演習、学力コンテストがあります。
この学力コンテストで名前を載せる猛者は、大抵の場合、志望校に合格し、4月号、5月号の記事では、「学力コンテストのおかげで、海陽学園、灘、渋谷幕張、開成、聖光、筑駒と全勝しました。」みたいな合格報告が出るような雑誌です。大学への数学の学力コンテストも同様で、これに名前を載せる常連は、東大理Iや理III、京都大学に合格し、今は数学や物理の大学教授になっていたりする人がいます。
他方で、算数、数学に対する中毒性が高く算数はすごくできるのだけれども、他の科目がさっぱり。。ということもありうる諸刃の剣だったりします。大学受験は多少不得意な科目があっても得意科目で勝負できますが、中学受験は全教科まんべんなくできないといけないので算数しかならない場合は注意が必要です。
前置きが長くなりましたが、受験参考書で通常の無味乾燥や網羅的に書いてあるものは、親目線だと何でも書いてあって安心なのですが、子供目線だと「こんなに分厚いもの読む気がしない」なると思います。
このシリーズは、見た目、例示のくだけ具合、と比較してその内容は高く、順にシリーズを読み進んでいくだけで大手塾で教えている基本テクニックは人とおり網羅されているという優れものです。
それ以外にもトピックスがいろいろ書いてあって、例えば度量衡のところでは、大きさの尺度として、
p(ピコ) n(ナノ) μ(マイクロ) m(ミリ) 1 k(キロ) M(メガ) G(ギガ) T(テラ)
と、小学校の時には出てこないけれど、高校理科では出てきたり、図形ではオイラーの定理という頂点と面と辺の関係を表す式(頂点+面ー辺=2)という話が紹介されていたりします(入門編)。 応用編では、サイコロをパタパタ転がす時にどう考えればいいかという表示法、発展編では、図形を回して立体を作るときのセンターラインの公式なども出ています。(このセンターライン公式の証明は数III、厳密には大学課程の微積分が必要。オイラーの公式は大学の微分幾何で出てくる話です。)小学生が読んでも面白くためになる内容が軽妙な口調で載せられています。
対象レベルが違いますが、読みやすさと基本テクニックについては、受験算数の裏技があります。
(シリーズとなっていますが、私は持っていて評価できるわけではないので、本屋で見てみてください。)
読んで面白いわけではないですが、いろいろなテクニックを網羅的に載せているのは、「塾技」があります。初学者というよりも、6年生の受験生が、サピックスの問題を解くうえで調べ物をする参考書という意味でちょうどいいと思います。
兄の時には出ていなかったように思います。弟の算数の調べもの用として購入しました。弟の場合は問題を解いているうちに解法をマスターしてしまったので、ほとんど使っていません。
算数のできるできないは個人差が大きいですが、基本をマスターしたら少しそれを応用した問題を解いて定着、少しずつレベルを上げていくという進め方がいいのだと思います。
サピックスのテキストは膨大な問題数があって都度それをこなしていけば、5年時までに十分な基礎がついてそれを6年時でガチガチに固めると、あら不思議、受験問題の一見難しい問題もいつの間にやら解けるようになるという、進め方なので、基本信じてついていけばいいと思います。
これは車の運転と同じで初めは教習所で車の動かし方に慣れ、次に路上で横の車、歩行者を気にして運転の練習をしますが、この時にはハンドル操作や車を動かす基本動作はすでに定着しており、一段高いレベルの所作ができるようになります。難しい問題を解くのも同じで、基本動作がおぼつかないと、問題の解き方に意識が向かわず、その前段階でキャパがいっぱいになるので、その基礎のスキルを高めることで空いたキャパを問題の解き方に回せるのではないかと思っています。
他方、算数を解き方をマスターしなければならないつらいもの、と思っているお子さんにはこうした語り口調の面白い本も固まった意識を解きほぐすにはよいのではないかと思います。
いずれにせよ、算数の場合は理解だけではだめで膨大な演習量が必要です。他の国語、理科、社会と比べても大量なと問題を解かないと志望校レベルまでの到達の道のりは長いと思います。
ご参考になれば。
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