「続ける力」伊藤真 ー 中学受験との関係

本屋で見たときからタイトルが気になっており読んでみました。
大切なのは「頭の良さ」ではなく「続ける力」という帯がついています。

伊藤真という方は、東大法学部卒で司法試験のカリスマ講師で、現在「伊藤塾」という司法試験の塾長をしている方です。法曹界ではかなり有名な人です。理科系出身の私でも知っている位です。前々からこの人は信念を持っていると思っていたのですが、本を読んでみて得心しました。

中学受験の場合は制限時間がありますが、この根底の考えは共通したところがあるかと思いますので、自分がなるほどと思ったところを紹介します。

続ける力―仕事・勉強で成功する王道 (幻冬舎新書)

1.本を読んでなるほどと思ったところ

p14に マリナーズのイチロー選手の引用として「夢をつかむということは、一気にはできません。ちいさなことを積み重ねることで、いつの日か、信じられない力を出せるようになっていきます。」

またp15に将棋の羽生さんの言葉が引用されています「以前、私は、才能は一瞬のきらめきだと思っていた。しかし今は、十年とか二十年、三十年を同じ姿勢で、同じ情熱を傾けられることが才能だと思っている。」

この伊藤真塾長は、試験の中で最難関と言われる司法試験の合否を分ける決定的な要因を「続ける力」としています。「知識については、一日数時間の勉強を続ければ2年間でカバーできる。」「法律の勉強は語学にも似て、「慣れ」が必要。慣れるためには、ある程度の時間をかけて、地道にコツコツと繰り返して勉強を続けるしかない。」(p17)

また、一流になるためには、「単純で退屈なこと」を反復練習できるか。続けられないのは「意志が弱いから」なのではなく、それを「習慣化」することや仕組みづくりがうまく出来ていないからと述べています。

第2章では、「やる気」を続ける技術について書かれています。ここではゴールからの発想、自分を信じきる事、スランプは、伸びている過程にあるとも述べています。

その他の章で気になったのは、以下の項目です。

第3章 一流になる人の学び続ける技術
 「素直に学べない人は続かない」
 「一流の人ほど基本を大事にしている」

第4章 勉強・仕事をやり遂げる計画術
 「計画は、実行するより「立てる」ことが大事
 「やること、やったことを「見える化」する
 「何時間やるか」は「計画」ではない。
 とっておきの記憶術(第5章)

私自身も自分の受験、仕事を通じ、また勉強術や仕事術の本は割と好きで読んでいるのですが、書かれている事は自分の経験に照らし合わせても本当にその通りだと思います。

特にこうした実績のある方が書かれている事であり、かつ司法試験という大変な勉強を必要とする資格試験の指導をしている方でたくさんの生徒を見てきた方なので言葉に重みがあります。

その他、法曹界と法律教育、日本国憲法にかける思いなど、信念と人となりが分かる本となっているので機会があると読まれると良いかと思います。

実は勉強術、仕事術というのはいろんな人が書いていますが、方法論は割とシンプルだと思っています。数冊読むとコアが分かりますし、だいたい勉強や仕事の出来る人はそうした方法を無意識的に実行していると思います。ただ、具体の方法論のところはバラエティがあり、合う合わないや中学受験に向き不向きがあると思いますのでカスタマイズが必要かと。サピのカリキュラムも万人向けではないと思うので本当は子供に合わせたチューニングが必要だろうとも思います。

2.中学受験との関係

  • 資格試験と中学受験で異なるところがありますが、勉強の方法論としてはほとんどが適用可能だと思います。
  • よく算数、国語は「地頭の良さ」という話があり、確かに12歳時点の試験なのである程度そうした要素が出てくるところは否めないですが、サピのカリキュラムを見ている限り、特に5年生の形式は、「地道な努力を反復継続してきちんと押さえるべき事を押さえているか」が大切な価値観としてあると思いました。
  • また、スパイラル方式で繰り返し内容が出てきて定着させる、概念や用語の使い方をいろんな形を変えた問題演習で定着させるというのは、特に小学生であるが故に忘れない頻度で定着させる忘却させない頻度での記憶の再確認がカリキュラムに組み込まれています。
  • 自分を信じてあきらめない事、入試なのでどうしても偏差値順位が気になりますが、そうではなくてマスターすべき中身に対して自分がどれだけ到達しているかを冷静にとらえることが大切です。
  • 特に5年時は、全ての科目で受験に必要な基礎固めです。社会を除き全範囲が終わるのでここで強固な基礎を築き上げておく事が、6年時にそれを応用、実践レベルに引き上げていく際に重要となります。このためには理科/社会は知識を、算数では典型問題と計算問題の確立、国語では漢字と知識(文法、語彙、ことわざ等)をしっかりと時間をかけて身につけることが大切です。テストは今が本番なのではなく、2017年2月なので、その時までにどう持っていくかは人それぞれですが、忘れてしまっては意味がないので、基礎の飽くなき繰り返し、が大切かと。
  • 勝手な想像ですが、ピアノなどの楽器をやっている人はこうした基礎的なトレーニングを怠るとすぐに指が動かなくなるので、こうした重要性が分かるのではないかと思います。
  • 基礎なんて、という事があるかもしれませんが、理科社会で言えば覚えている事を覚えていれば皆が取れる問題で落とす事ないですし、思考系に時間をあてる事が出来ます。算数についてもまずは強固な計算力。次にパターン化された典型問題の完璧なマスターがあると、後は組み合わせをどう解きほぐすか、という事のみに注力できるようになるので、その前段階を固めるために、「分かった」というレベルではなくもっと研ぎすましてまさに瞬殺レベルでたいおうできるように引き上げておく事が必要です。
  • サピは、どうもそうした意味での基礎固めをさせるテキスト構成なのかしらんとも思っています。
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