望ましい能力

中学受験のゴールの続きです。

今回は「受験において望ましい能力」についてです。

中学受験に限りませんが、高校受験、大学受験、その他資格試験系においては、明確な試験範囲と到達すべきゴールがあるため、中学受験のゴールと同じ考え方が当てはまります。違いは、定員がなくて何割取れればよい、とか、何年かけてもいい、というあたりでしょうか。研究や論文ではなく、ある一定の想定受験者層に対して試験する側がある一定の能力を有するかを判断するのが入学試験や資格試験となります。

その上で、こうした試験ものをクリアする上で望ましい能力とは以下のものだと思っています。

  1. 聞いた事や概念をそのまま理解できる理解力
  2. 大量な情報を覚えることのできる暗記力
  3. 習った事をあてはめたり、応用問題が出ても気づく事の出来るあてはめ力
  4. 何が重要かどうかを判断するポイント把握力
  5. 習慣、ルーチン化力(仕組み化力)
  6. 習った事を体系化する体系化力
  7. 字のきれいさ、丁寧さ

理解力
聞いた事や新しい概念をそのまま理解する事の出来る能力ですが、本当に何にも知らない事を理解する事は至難の業だと思います。ある程度知っている事をベースにその延長の概念や、それに関係した事であればそのハードルは下がるので、理解力があるとは、全く新しい事を理解するというよりは、それまでにそれに関係したことを軽く知っている、知的好奇心があって興味の窓口が広いので、新しいところにもすんなり入る事ができる、というのが本当のところではないでしょうか。
 自分自身も、大学や仕事で全く新しいことに触れたときにその概念に馴染んで使いこなす事が出来るようになるのは、数ヶ月を要したので、分かったつもりになるのとその概念を自然に使いこなす事が出来るようになるには一定のタイムラグがあり、ある程度の「熟成期間」が必要となります。学生時代は毎日勉強しているので、そのリードタイムは短かったと思いますが、初めて聞く事よりも一度聞いた事がある事の方が分かりやすいのは確かです。 
 その観点から、Sapixのスパイラル方式で螺旋階段を上るように同じ事を少しずつレベルをあげて期間を空けて繰り返すのは、非常に合理的な方式となっていると思います。
 他方、全体像が分かりにくいという点がありますが、その点は後述します。

暗記力
 受験であるといい一番の能力が記憶力です。勉強の7割くらいは新しい事を覚える事ではないでしょうか?暗記は、社会人になってからも常に新しい事を覚えていく必要がありますので、学生時代でおしまいという事にはならないですが、丸暗記の頻度は減ると思います。
 他方、小学生の場合は、自分もそうでしたが意味のない事でも丸暗記する事が出来たので、中学受験というのは多分にこの大人にはまねの出来ない「記憶力」をフルに活かしたものではないかと思います。
 社会、理科、漢字、ことわざ、語彙のみならず、算数の入試典型パターンについても相当程度この記憶力が活躍していると思います。
 書いて覚える、語呂合わせなど、いろいろな方法論はありますが、とにかく大量の情報を早く頭の中に入れる事が出来る事は、圧倒的に有利だと思いますので、暗記力を高める方法論については検討の価値があるかと思います。
 これも人それぞれ、ではありますがある程度訓練によって強化する事が出来ると思いますのであきらめない事だと思います。
 
あてはめ力 
 算数や理科では顕著ですが、習った事を違う聞き方をされると分からないというのがよくあります。習った事をあてはめて使う事ができるか、それを見抜くことができるか、というのは、なかなか難しいと思います。ただこれも、先天的にこの能力の高い人もいるかもしれませんが、類題演習や問題を深く掘り下げて勉強しているうちに、その科目特有の「センス」が養われてくるのでそれが分かるようになると、何をこの問題で聞こうとしているのかが見抜く事が出来るようになります。

ポイント把握力
 これも、経験上養われる事なのかもしれませんが、算数や理科、社会では重要でマスターすべき項目は決まっています。何が重要かは、中学受験用の要点まとめ、の本をみれば一目瞭然です。最終的にはその知識を体系的に理解すればいいのですが、それを頭の中に構築するためには周辺情報や類題演習等を通じて頭の中にポイントを刷り込む必要があります。
 ある程度、そうした勉強を続けるとその科目、問題の中で何が重要かが分かるようになります。その重要なものと、重要でないものが自分で見分けられるようになると非常に強いですが、ここまで自分で出来なくても塾等のカリキュラムに乗っかっていればきちんとメリハリをつけて教えてくれると思います。
 この点をはっきり知りたければ、逆に情報量の少ない入門編の本や、要点まとめなどの本、参考書の目次や、塾のカリキュラムを見ると大きな流れと何が重要かが分かります。
 全体体系を理解した上で部分を見ると何がポイントがよく分かります。その点で、sapixのテキストは毎回渡されて予習ができないのですが、目次と今何をしているのかは把握させておいた方がいいかと思います。
 その上で、細かい知識を肉付けしていくのが流れとしてはいいですね。

習慣化、ルーチン化力
 いわゆる「仕組みづくり」ですが、これが小学生で自分で出来たら相当すごいと思います。子供なので好きあれば遊びたいと思うでしょうし、勉強にはむらがあると思いますので、勉強のやるべき事のスケジュールや見える化を行い、ルーチン化を進める事が大切です。
 だいたい2週間続けば続くと思いますが、勉強以外にもトレーニングやランニングなど、強制的に続ける仕組みづくりが重要です。
 ある意味で、この「毎日決まった事を続ける能力」が、上の「理解力」、「記憶力」以上に重要だと思います。

体系化力
 習った事から物事の体系を取り出して、自分で体系化する能力です。これはなくても中学受験は大丈夫だと思いますが、算数や理科などでは自分が勉強していて分からない問題がある時、理解が浅いというときには、算数や理科の体系における「基礎」が抜けている事があります。「基礎」とは、必ずしも「簡単な事」というわけではなく、例えば理科の化学において、「これだけは化学を理解したという事が出来るためには外せないこと」というのが基礎になります。この「基礎」は、頭の中でその概念をスラスラと動かせるところまで最終的には習熟しておく必要があります。
 基本、応用問題は、この「基礎」を組み合わせて出来ています。
よく、応用問題が出来ないのは、「基礎」が不十分だから、というのが算数や理科の話で出てきますが、本当に「基礎」の能力が不十分でそれが出来たら出来るかというと、そういうものではないと思っています。
応用問題が、どのような構成要素からできているのかは、先の「あてはめ力」に相当するものだと思います。この体系化、ポイントを見抜く、あてはめ力は、同じような能力ですが、要は「複雑なものを還元する力、自分の頭の中に体系的に位置づける力」となります。
 この力を獲得するには、修練が一番だと思います。単に基礎の段階では足りずに、基礎概念を頭の中に置いた上で応用問題に取り組む中で一つずつ頭の中に体系化され、科目の目次が出来て、複雑な問題に対応する事が出来るようになる、と言った感じでしょうか。 
 人によっては綺麗な整理されたノートでこれを表現する人もいるでしょうし、算数小僧?のように問題見た瞬間に瞬殺でパターンを見抜くなど、色々な形があるかと思います。

字のきれいさ、丁寧さ
 字が綺麗な方が読む側にとってもいいでしょうし、自分が復習する上でもいいでしょう。また、漢字、計算については、丁寧な字であることがミスしないための必要条件です。筆算の桁ズレや転記ミスなど字がきれいで注力があると相当頻度は下がると思います。
 加えて、平面図形、立体図形は、綺麗な図を書く事が出来る事が問題を解く事ができるための条件です。字がきれいというよりも、こうした図形を書く練習なのかもしれませんが、これが出来ないと辛いです。

と、こんな能力が我が子にそろっていると勉強がさぞかし楽だろうと思います。そんなものは全てそろっている訳がないはずで、標準の能力があればよしとして、後は日々の勉強の中で少しでもその能力を高めていくという事だと思っています。

なお、後段の字の綺麗さ以外は、中学生や高校のときにあると望ましい能力だと思いますが、小学生には高望みかもしれません。大学受験においても独力でポイント把握、体系化に長けていれば苦もなく難関校に受かるのではないでしょうか。

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